前穂高岳東壁【2010.9.29】

末永 小川 

 2010年9月末、2年ぶり北アルプス。
今回は、奥又白池と北穂東稜、それから、同行者のバリエーションデビューが目的だ。


9月27日

 佐世保から夜行高速バスで名古屋へ。


28日

 名古屋から高速バスを乗り継ぎ松本へ、松本駅から松本電鉄で新島々へ、さらにバスで上高地へ向かう。
上高地へは、佐世保出発から18時間30分後の翌日14:30.に到着。最も安く便利なアプローチだ。ただし、少々時間がかかる。

 二人とも何度も訪れている上高地なので、上高地の写真を1枚も撮影していなかった。

 エスパースマキシム4人〜5人用

 小川氏は、作家でもあります。
小川氏の「裂けた月」を今回の登山の帰宅時に、車中中で読んだ。。身近な方の作品ということもあり、とても面白い本であった。
ぜひ、長崎県人には、読んでもらいたい。

 最近、私と山に登る機会が多く、次の作品がなかなか執筆できないのではと心配している。

 
 初日は、小梨平のキャンプ場。お風呂が新しくなっていて、とても快適だ。食堂の焼き鳥の定食は、とてもおいしい。特にタレがおいしい。おすすめだ。


29日

 明神岳

 明神岳は、一般登山者に馴染みがないマイナーな山だが、本峰付近は、アルプス的景観がとても魅力があると感じている。

 前穂高東壁

 今から登る山、クライミングをする分けでではないが、奥又白までのアプローチは、どんなものだろうか。

前穂高北尾根

 当初、今回の山行で、前穂高北尾根を登るつもりだったが、私が登っていないルートで、よりやさしい北穂東稜を登ることにした。
前北尾根は、春に一度登っているすが、春よりも無雪期の方が困難だと思うのだが。、

奥又白池

 太ってしまいました

 人からも間違えられるくらいに太ってしまった。。一般登山のガイドで登山するくらいでは、運動にならずやはり日々のトレーニングが必要だ。
もう70`オーバーが数年続いているので、減量しなければ、平成20年に八ヶ岳に継続入山していた時は、トライアスロンを継続していた時期と同じ体重まで減った。
 特に減量したわけではないけど。これまで、減量した経験がなくく、トレーニングで自然に適切な体重になっていた。
 この冬の山行を機会に、もとの体重に戻すために、日々のトレーニング再開しよう。
 そのためには、自転車の修理と山岳ガイドの受験だろうか。来年受けても、学科は、一部免除になるのか。まずそこから調べてみよう。

奥又白池から前穂北尾根へのガレ場

 奥又白池から前北尾根へは、ガレ場をトラバースしなければならない。考えていたよりも、状態が悪く時間もかかった。。X・Yのコルへ登りつめる時には、疲れ果てていた。
最近このような経験をしていなかったので、気持ちはよかったけど、山中で疲れてしまっては、危険だ。トレーニングで疲れて、本番では余裕を持った山行をしましょうと教える立場なのに反省。

 前穂北尾根X・Yのコル

 いい顔していますね。ひょっとして疲れていたのは、私だけ。
当然、X・Yのコルで幕営です。広島から前穂北尾根を登りにきていた2人パティーに、テント場を譲ってもらい、狭いコルに、3張のテント。

 今回も、いつのまにかテントのポールがなくなってしまった。しばらく、探した後、ハイマツ帯の下部から見つかる。
狭い稜線などで幕営する際は、注意が必要だ。つないだテントのポールは、とても滑りやい。
八ヶ岳の春山では、ポールの袋ごと、1月の谷川岳では、スコップを落としている。
全て回収できたが、このような無用心が、遭難につながる可能性がある。
自らの戒めのために、公表している。皆さんも注意しましょう。

30日

前穂北尾根X・Yのコル

 この日は、冷え込んだ。写真では判らないが、雪になった。
午後からは、雨の予報だ。わざわざ、広島から来た2人組みは、前穂北尾根をあきらめ下山した。
荒天時の行動は、注意が必要だ。まして、一般の登山ではないので、撤退したことは賢明な判断だ。


 もちろん、われわれも早々に北穂高東稜をあきらめ、涸沢で沈殿、そして、望んだわけではないが、貴族になってしまいました。
いわゆる涸沢貴族ってやつだ。涸沢乞食ともいうらしいが。

2010年9月30日 涸沢

 2010年の紅葉は、各地で遅れてる。涸沢の紅葉もまだまだだ。
涸沢には、3日間滞在した。周囲が日々、紅葉が進んでいると話している中、鈍感な私はその変化を敏感に感じるとることがでないでいた。
紅葉の時期、2回目の涸沢だったが、次回3回目を楽しみにとっておくこととなった。

 この日の午後からは、かなりの雨となったが、我々二人は、贅沢にもテント内で昼寝としゃれこんだ。
おかげで、山行中に雨に降られたが、全くそのような感覚がなかった。縦走中の雨は、沈殿が一番。
 そのためには、予備日が必要だ。

 30日の夕食は、涸沢小屋にて

 最近は、テントの登山者にも宿泊者と同じ夕食を提供してくれる山小屋が多くなった。
ただし、値段は、2,500円程度と少々高めであるが、長期の縦走時などは、栄養のバランスも考えて小屋での食事もいいのではないか。
 幕営の縦走ガイドを行うガイドにとっては、ありがたいサービスだ。

10月1日

モルゲンロートに染まる涸沢から北穂をめざす。
この日は、いよいよ北穂東稜を登り、ジャンダルムをめざす。

まだ、紅葉には、10日ほど早いようだ。

ガレ場をトラバースして、北穂東稜へ

かなりもろいルートを登ったようだ。もっと安定したルートがあると思う。

 

ピッチを短く切って登る。見かけほど、困難ではなく、稜線に出てからは、岩も安定していた。

 常念岳

槍ヶ岳

  槍ヶ岳までは、一般銃走路となっているが、見るかぎりどこを歩くんだという感じがする。

 北穂東稜

ここを登ってきました。
今回は、北穂東稜のみとしました。
はじめてのバリエーションでお腹いっぱいというところだ。
時間的にも、ジャンダルムまでは厳しかった。

 国設涸沢野営場

今回の山行でもっとも好きな写真

 2日

 屏風の耳を経由して、パノラマ新道から上高地へ下山。

 涸沢のモルゲンロート

朝陽で山が真っ赤に染まるモルゲンロート

 屏風の耳の紅葉

 屏風の耳の紅葉

 上高地 西糸屋

 上高地で、西糸屋山荘に宿泊しました。なんという贅沢。

 3日

 信州といえば、「そば」ですね。

 松本駅から、小川さんは、佐世保へ。
私は、明日からのガイド協会の講習を受講するために東京へ。
 姉の自宅に泊めてもらい、翌日から1泊2日で、山岳ガイド受験のための講習会へ参加する。