紐差教会 2008.9.24(水)

2008.9.24(水) 〜 26日(金)


CL:末永
SL:山下

 9月24日から2泊3日の予定で、平戸一周を行ないました。
末永は、1996年以来6度目の挑戦になりました。山下氏は、今年3月以来の2度目の挑戦です。

 24日(水)

 早朝、紐差の山下さんの自宅へ集合して、3日間の日程の打ち合わせをしました。
平戸島のガイドポイントを確認しながら、3日間で周回するには、停滞をしているとかなり厳しくなります。
とりあえずいけるところまでということで出発です。

 9:30 千里ガ浜から出艇です。

平戸観光ホテル『蘭風』

 ホテル蘭風には、西日本最大の露天風呂があります。今度、ゆっくり入りたいものです。平戸一周後のお風呂は、最高かも。

アシカに見えるのは、私だけでしょうか?

魚に見えませんか?

鄭成功誕生石

宝亀教会を背景にして

宝亀教会は、世界遺産暫定リスト(長崎の教会群とキリスト教関連遺産)の一つになっています。

平戸牛

 この平戸牛は、カヤックに驚いたのでしょうか?カヤックを追ってきました。

紐差教会を背景にして

紐差教会も世界遺産暫定リスト(長崎の教会群とキリスト教関連遺産)の一つになっています。

きれいに詰まれた石垣です。この上は、田んぼだと思います。それにしても、こんなところにも田んぼを作る必要があったのですね。

柱状節理の岩です。生月島が有名ですが、平戸島や田平町でも見ることができます。

大川原

 24日は、志々伎の船越の手前の玉砂利の浜でキャンプしました。
白波が押し寄せていたので、時間をかけて慎重に上陸しましたが、山下氏の新艇のカヤックのバウが破損してしまいました。
焚き火付近において、乾燥させてダクトテープで応急処理をしました。完全に浸水していましたので、ダクトテープがなければ、放置して後日回収となっていました。

 この夜は、ふなむしに悩まされて、寝苦しい夜でした。



25日(木)

 昨夜の波をおさまり、問題なく出艇できました。

 

洞窟

平戸島には、シーカヤックから入って楽しい海の洞窟は、あまりないようです。もちろん、見落としている可能性もありますが、シーカヤックで入れて夜光虫を見れるような洞窟があればいいのですが、また、見つけてみます。

上段の野


 「上段の野」は、志々伎から見える美しい野原の丘です。今度、登ってみようと思います。


志々伎山

 平戸で最も有名な山です。九州百名山の一つに数えられ、平戸の野子地区から見るとマッタホルーンを感じさせます。

尾上島(左)と高島

魚釣崎です。風が強い時は、宮之浦を周らず、シーカヤックをかついで渡った方がよさそうですが、干潮時は、かなり距離があります。

尾上島

尾上島は、釣りの名所です。この日も多くの釣り客がいました。

高島

 高島は、平戸島の宮之浦沖にある周囲約3km、人口30人ほど、住民のほとんどが漁業を営む小さな島です。
太平洋戦争時にはここに要塞が置かれ、 300名以上の兵士が駐留していたそうです。
今も砲台跡が残っています。

参考:平戸 砲台

平戸の最南端、宮之浦

 ここも柱状節理の岩ですが、直径が小さく岩がたっていませんでした。

志々伎山

 どの山も見る角度から、その山容がことなります。私には、九十九島から見える志々伎山の山容の印象が最も強いようです。

下阿値賀島と上阿値賀島 頭ケ島(手前右)

礫岩

 礫岩には、貴重な植物、チョウセンノギク・イトラッキョ・イワシデ・シンパク等があります。
私は、イトラッキョを見る目的で、一度だけ登ったことがありますが、すでに花は終わりかけていました。
登山道が、地形図に掲載されていなかったので、自分でルートを見つけて登りましたが、本来の道とは異なっていたようです。
 再度、イトラッキョが満開の時期に登ってみます。

獅子の浜

 この獅子の浜には、メノウがあるようです。

これらの石がメノウということですが、鉱物に弱い私には、よく分かりません。

生月大橋

 生月大橋は、確か平成3年9月頃に完成したと思います。ちょうど、私が仕事で生月に行っていた時期で、橋ができてうれしくなったことを記憶しています。
ところで、平戸大橋は、いつも塗装などのメンテナンスを行っていますが、生月大橋のメンテナンスは、見たことがありません。その頻度は、同じくらいなのでしょうか?
ところどころ、サビが出ていたので気になりました。

平戸最高峰 安満岳514m

半元キャンプ場付近の岩

 私は、平戸では、この海から切り立った岩場を漕ぐのが最も好きです。いつか、海ぎりぎりのラインをトラバースしてみようと思います。
だって、落ちても濡れるだけで怪我しませんから。

 この日は、海水浴場にテントを張りました。ここは、水とトイレがあり快適なはずだったのですが、この夜も蚊に悩まされ寝苦しい一夜でした。
夜半からは、断続的な雷と雨になりました。



26日(金)

半元キャンプ場横の海水浴場

 昨夜の雨は、あがりましたが、少し風があります。

半元キャンプ場

 この写真の岩場には、フリークライミングのルートがあるはずですが、確認できていません。もし、分かっても私に登れるグレードではありません。

 テトラの外は、こんな感じです。白波も出ていますが、午後から回復という予報なので、とりあえず出てみました。

遠くに生月大橋

 天気予報通り、しばらくすると白波はなくなりました。



カモメ

田の浦温泉

 平戸北端部にある『田の浦温泉』です。火傷に効能があると聞いたことがあります。

カヤックには、旗を立て安全第一

度島(手前)と大島

 度島も大島も仕事で何度も行ったことがある島です。
朝から、島を走っていました。

 弘法大師(空海)の像

 弘法大師(空海)の石像です。空海は遣唐使一行とともに唐へ向かう途中、この田ノ浦に風待ちのため立ち寄ったいわれています。
田ノ浦温泉など空海の足跡をあらわす史跡が残っているそうです。
指を刺している方向は、西ですので、唐(中国)のようです。

平戸北端(白岳直下)

 平戸北端部は、いつも三角波が立っています。過去2回ここをシーカヤックで通過していますが、2回とも三角波があったようです。
これまで単独と二人艇で通過していましたが、注意しなければという感覚だけでしたが、なんと今回は、二人で3回も沈してしまいました。
はじめての沈脱でした。実際に複雑な三角波の中でのレスキューは大変でした。牽引しても全く前進することができずに、結局、岩場に這い上がり、カヤックを岩場に引き上げました。

 こんな波の中で、訓練などできません。
怪我もなかったので、良い経験になりましたが、いろいろ考えなければならないことも数多く出てきました。
もう少し、リスクの排除ということを徹底的に考察する必要がありそうです。

平戸城

平戸教会

 
黒子島

平戸大橋

田平天主堂

田平天主堂も世界遺産暫定リスト(長崎の教会群とキリスト教関連遺産)の一つになっています。

大崎鼻

 なんとか2泊3日で、平戸一周を行うことができました。



今回のツーリングで、今後考えなければならないこと

 今後、登山ガイドを生業としていくわけですが、登山に限らず、自然系のガイドもできるように経験を積んで行きたいと思っています。シーカヤックについては、平戸一周に特化したツアーができないか模索しているところです。

 シーカヤックで平戸一周を行うにあたって、最も重要と考えていることは、漁船との関係です。まず、安全のために可能な限り、漁船の接近をカヤックから避けていくということと、漁船の迷惑にならないような航行を行うということでした。
 実際の航行については、荒天時に無理して出艇しないというものですが、航行中に急に状況が変化する場合がありますので、荒天時でも上陸できるポイントを十分に把握しておく必要があります。
 今回の平戸北端での沈脱は、三角波がある箇所で、この部分が平戸一周時の核心部ということは、はじめて通過したときから、十分に認識していましたが、今まで何事もなく通過していましたので、そう深く考えることもありませんでした。まあ、今回のツーリングを機会に安全管理について、再度考えてみたいと思います。

○ シーカヤック

    ツアー時の安全管理の三原則

    1.危険の予測と排除
    2.危急時対応策の徹底及び訓練
    3.参加者に対する自らの安全管理の徹底

    上記は、「日本山岳ガイド協会」での講習で学んだことです。この3項目に沿って、もう一度考え方を整理していきたいと思います。 


○ 生活面

    その日の疲労は、一晩で解消することが大切です。そのためには、十分な安眠が必要になります。
   ツアー時は、虫対策を徹底しなければなりません。

○ ガイドポイントの資料収集と研究

    実際に、平戸をガイドするつもりでシーカヤックで周ると、今までに見落としていた物が見えてくるようになってきました。
   シーカヤックからではなく、危急時対応策を含めて、陸上からの調査も行う必要があります。

    シーカヤックは、自然の中で行う活動ですから、天候の影響を大きくなります。
   ある意味、登山以上にその影響は、大きいのかもしれません。
   条件が悪い場合は、とにかく出艇しないことです。ただ、場所によっては、風や波の影響を受けないところもありますので、
   事前に確認した上で、臨機応変の対応が必要になりそうです。