東稜からの旭岳【平成16年11月20日(土)】

期間 : 平成16年11月19日(金) 〜 20日(日)

末永単独

 八ヶ岳東面のバリエーションルートのアプローチの偵察をかねて、それらの下降路となっているツルネ東稜を登り西面へ抜ける山行を計画した。

19日(金)

 東京から中央線で小淵沢駅まで出て、そこから小梅線に乗り換え清里駅へ。町営たかね荘を予約していたところ、清里駅まで迎えに来てくれて助かった。
たかね荘は、最近民間の経営にかわったということで、今年から冬場の営業も行うということである。夕食もおいしくいただくことができた。

20日(日)

町営たかね荘1561m 発 5:00 ⇒ 出合小屋 1871m 7:10 ⇒ 旭岳 2672m 12:00 ⇒ キレット小屋 2445m ⇒ 行者小屋 2354m 15:30⇒ 美濃戸山荘 17:00 ⇒車 ⇒ 茅野駅 18:00着

 たかね荘の朝食8時からということなので簡単に行動食で済ませて5時に出発。今年は、いたるところに熊が出没しているので少し恐怖心を抱きながら歩くこととなった。今までに感じたことがない感覚だ。熊よけの鈴を持参すべきだった。

 しばらく、ヘットランプをたよりに遊歩道を北西へ。羽衣池手前から天女山方向の南西へルートをかえ、林道と合流後に出合小屋めざしてひたすら林道を北西へ。途中から地獄谷に沿って沢沿いを何度も渡渉しながら出合小屋をめざしたが地形図には沢の北側にまだ林道がのびているのでどうやら途中でルートミスしたようだ。
 しかし、沢沿いにも赤テープがしっかりとあったので今回歩いたルートでもかまわないのかもしれないが、沢の石に霜がおりていて非常に滑りやすく歩きにくかった。



地元の高根山岳会が管理する出合小屋

出合小屋内部

 出合小屋は、地元の高根山岳会が管理している避難小屋。八ヶ岳東面を登る登山者にとって貴重な山小屋といえる。

  いつもは、事前に取り付きなどをガイドブックから短い文書にしてまとめてくるのだが、今回はざっと確認した程度で準備不足のせいか、ツルネ東稜を登るつもりが、間違って旭岳東稜を登ったようだ。尾根に出てからすぐにおかしいことは分かっていたが、念のため30mザイルとハーネスにカラビナ3枚にスリングを少々持参していたので、登れないようであれば懸垂で下降するつもりでそのまま登ることにした。もし、1日で下山できなくなってもツェルトと夏用ダウンシュラフも持っている。

 

東稜からの旭岳【平成16年11月20日(土)】

 この景色を見た時点で旭岳東稜を登っているのかなと感じる。単独なので、無理はしないことを決めそのまま登ることにした。積雪期であればかなり時間を要する箇所と思われるところも、無雪期なので容易に越える事ができる。ただし、草付が多くなってからは、念のためハーネスをつけ、ピッケルをバイルかわりにして登る。結局ザイルは、スリングを落として懸垂で回収するために使用したのみで何とか旭岳山頂へぬけることができた。

天狗尾根

ブロッケン現象(旭岳山頂直下)

左から 阿弥陀岳 中岳 赤岳

旭岳東稜線(手前から2番目の尾根)

 西面にはおりずにツルネ東稜を下山する事も考えたが、標識が無くかつ事前準備不足であったため、一度歩いている文三郎尾根経由で美濃戸へ向うことにした。ただし、JRの時刻の関係で赤岳は登らず行者小屋へ。しばしらく休憩して、美濃戸山荘まで1時間30分で歩く。JRの時刻を確認するが最終便には間に合うようだが。とりあえず、八ヶ岳山荘までは歩かなければならない。

 林道の途中から、茅野駅まで便乗させてもらい最終便の1便前のJRで東京へ戻る。