神崎灯台【H15.1.13

期間 : 平成15年1月11日(土) 〜 13日(祝)
              CL : 末永
              SL: 岩さん
                     タクちゃん
                     タカさん(初日のみ : 州藻 〜 上見坂)

   

   転勤組の3人で州藻から神崎半島まで縦走を行なった。
初日のみ、タカさんが上見坂まで同行する事になり、4人で白嶽の州藻登山口より神崎半島を目指した。
   

1日目   1月11日(土)

州藻登山口発 9:26 ⇒ 鳥居 9:56 ⇒ 白嶽岩基部 10:16 ⇒ 白嶽東峰・西峰 ⇒ 白嶽岩基部 11:13 ⇒
白嶽三角点 515m 11:56 ⇒ 昼食 ⇒ 上見坂白嶽登山口 14:00 ⇒ 有明山 558m 15:40 ⇒ 幕営地着 16:00

白嶽州藻登山口

   1月ということで降雪も考えていたが晴天の中、整備された州藻登山口から白嶽を目指す。
岩さんもタクちゃんも今回の縦走に備えて、正月休み中もトレーニングをきっちり行なったということでさすがに体調万全のようだ。タカさんは、上見坂までなので荷物も少なく若いので問題ない。
   対馬在住中の目標が、州藻から神崎半島まで歩くことだったので、ぜひこの縦走を成功させたいという気持ちでこの日を迎えた。

鳥居

   登山口からこの鳥居まで30分がひとつの目安だが、きちっり30分ということでまずまずのペース。

白嶽岩基部

   この岩壁基部を回り込んで稜線へ上がり、白嶽三角点を目指すことになる。ここに荷物をデボして白嶽山頂を往復した。

左:白嶽山頂(西峰)    右:東峰

   分県登山ガイド「長崎県の山」には、『東岩峰への登路はないが』とあるが、西峰と東峰の関門付近から東峰への登路がある。クライミング経験者であれば全く問題ないが、初心者が登る場合はロープの確保が必要となる。他にも、東岩峰を右手から大きく回り込んで岩峰上部へのびる踏み跡があるが、最後に傾斜が強い岩場をトラバースすることになるのでこちらのルートはおすすめできない。

東峰へ

東峰からの下降

白嶽神社(東峰)

   東峰から西峰を望むと西峰が男岩と言われる所以が分かる。ちなみに東峰は、女岩と呼ばれているようだ。

遠見山を望む

   白嶽から北方へ延びる稜線。

   白嶽山頂を経由して、岩壁基部から三角点を目指す。三角点へは、ここから稜線伝いに歩けば1時間30分もあれば十分だ。この日、我々4人はルートが分かっているので43分で歩いている。多少の踏み跡やテープはあるが、登山道ではないのであしからず。

白嶽三角点にて

   三角点から上見坂方向へ下る場合は、三角点の岩場を下りることになるが、今回はいったん白嶽方向へ戻り三角点の岩場の左を回り込んだ。岩場の下降は、東峰同程度となる。初心者はロープの確保が必要と。

   上見坂でタカさんと分かれ、単調な林道と1.5`程の登山道を歩き、なだらか有明山山頂着。上見坂から6`を1時間40分なのでまずまず。
   有明山山頂は、毎度の事だが風が強く写真も撮れず、幕営地へ。

  今回の幕営地は、水が稜線直下で補給できるところを選定した。有明山から厳原方面へ7分程下った登山道上の平坦地は、沢の水量と寝心地のよさからしても幕営には、最適だ。通常なら登山道にテントを張ることは、問題と思うが登山者がほとんどいない対馬ではおおめに見てもらいたい。水場となる沢は、この付近の地形図をみると分かるが、幕営地から3分程下る。

1月11日 幕営地

    今回使用したテントは、新品同様のエスパースマキシム(4〜5人用)。アルプスの冬山目的で購入した貴重な山道具の一つだ。最近の軽量化されたテントは、その分どうしても耐久性が落ちるように思う。高ければ全て良という訳にはいかないようだが、なかなか優れ物だと感じている。
   炊事は、当然全てテント内部ですませたが、定期購読している「登山時報」に以下のようなことが記されていたので、テント内部での炊事はこれまで以上に注意を払わなければと感じている。
   『ヒマラヤやアンデスで会った多くの欧米人は、どんなに寒かろうと外でコンロを使っていました。また、5月の剣で、お客さんをテントの中に入れて、カナダで修行してきた若手ガイドが寒いテント外で炊事しているのにであった事があります。多くの事故例を検証して、欧米ではテント内で火器を使わないことが常識になっているのかもしれません。』

   

2日目   1月12日(日)

幕営地発 7:10 ⇒ 有明峠 7:35 ⇒ 断伐山 480m 9:40 ⇒ 舞石ノ壇山 536m 11:43 ⇒ 内山峠 12:05 ⇒ 萱場山 512m 13:15 ⇒ 龍良山 558m 15:07 ⇒ 幕営地(346m ピーク手前の最低鞍部)着 16:00

   早朝5時に起床して、朝食をすませテントを片付けて出発するまでに2時間10分を要した。同じメンバーで慣れれば1時間程度で出発できるようになるのだが、まあこんなもんでしょう。

有明山の朝焼け

   正月山行にいけなかった者としては、内心は強烈な寒波の中、雪を踏みしめながら歩きたかった気持ちもあったが、この日も昨日に続き天気に恵まれ登山日和だ。

日韓基準点からの展望(正面遠景:白嶽   右手:有明山)

日韓基準点

   日韓トンネルの話は、聞いた事はあるが測量まできちんと行われていたようだ。北朝鮮の核が問題になる中、実現するのだろうか。トンネルができた時の対馬を訪れてみたいものだ。

舞石ノ壇山から望む稜線(右手の高い山:龍良山)

   舞石ノ壇山からの望む稜線を歩く。近年、対馬全島で地籍調査が実施されており、ほとんどの尾根や稜線が伐採されていたので、今回のような登山道がない尾根や稜線の縦走が可能になった。この伐採がなければ、この縦走もできなかったかもしれない。

勉強中のタクちゃん

   岩さんは、この山行中タクちゃんに熱心にコンパスの使い方を伝授していた。コンパスと地図をきちんと使える登山者は、1割もいないのでは。通常の登山道では、地図・コンパスなど必要としないからだ。ただし、使わなければ覚えないので、案内板がありその必要がなくても使ってみること。日頃登っている山で反復して使い、地形図と実際の地形を比較したりすると勉強になると思う。「習うより慣れろ!」だ。自分できちんとルートが確認できたり、山座同定ができるようになると山がぐん〜と楽しくなるはずだ。
   タクちゃん、がんばって。

内山峠

   内山盆地の上部の山が、舞石ノ壇山となる。この尾根を初めて歩いた時は、峠の壁を懸垂で下りるために補助ロープまで用意していたが、階段が設置され簡単に下りることができた。地形図で林道等で寸断しているような尾根を歩く場合には、崖になっている場合があるので、手前で左右のどちらかにそれて林道に下るかするなどしないと、降りれない場合がある。その前に、常に補助ロープを持参している方が先決なのだが。

   2日目の幕営は、内院の滝上部で水を確保して、龍良山の手前の鞍部を予定していたが、予定より2時間ほど余裕があるので、龍良山から神崎半島の尾根上に予定を変更して先を急ぐ。
   ところでこの日は、先週より10度以上暖かい。先週この付近を歩いた時は、イノシシがほじくった跡の土がバリバリに凍りガタガタだったが、今はそれも融けてサラサラの土になっている。積雪がなければ寒いだけで楽しみがないので、一週間ずれていて良かった。

龍良山山頂

   龍良山山頂には、ごらんのような立派な山名表示の案内板がある。この案内板は、岩さんとその仲間が協力して設置したということだ。私が確認しているだけで、他に白嶽三角点・有明山・清水山・矢立山がある。
   岩さんは、カヌーを通じて知り合った人だが、山もかなり経験していて私が登ったことがない対馬の山もかなり登っている。山にカヌーにと対馬で仲間が見つかりラッキーだ。

   龍良山山頂から神崎半島を望むときれいな尾根上になっており、そこを歩く限り迷う事などないと思うが、実際は龍良山山頂直下が尾根状になっておらず、かつ傾斜が強い。150mも下りると尾根がはっきりしてくるので、この尾根までが今回の縦走の核心部となる。

   タクちゃんは、ファミリーキャンプの経験しかなく幕営ははじめての体験ということで、寒さを心配していたが先週とは異なり暑いくらいだったので拍子抜けしたのではないだろうか?

笑顔いいですね。宅ちゃん。

   タクちゃんも岩さんも私よりひとまわりも年齢が上だ。人生の大先輩の方々とこうやって、同じ趣味を楽しめるというのがまた登山の大きな魅力の一つだ。

   今回の山行のメニューは、

11日 すきやき
もち
12日 うどん カレー
13日 棒ラーメン
もち

山行時のすきやきのコツ(夏は不可)
肉は切った上で冷凍して、野菜は切った上でジブロップ入れて持参。ペットボトルに酒・醤油・砂糖みりん等をあらかじめ混ぜて上で持参。冷凍した肉は、氷代わりに活用。調理時間が短く、ゴミも出ずに燃料の節約にもつながる。

   昼は、行動食のみ。今回は、カロリーメイトを持参した。
カロリーメイトの注意点 : 通常食料類の化粧ケースはゴミを減らすためと軽量化のためすべて袋や箱から出して持参するが、カロリーメイト類は、箱のままザックに入れないとボロボロの粉状態になってしまい美味しく食べる事ができない。




3日目   1月13日(祝)

幕営地(346m ピーク手前の最低鞍部)発 6:50⇒ 松無山 250m 8:40 ⇒ 神崎灯台 10:30 ⇒ 浅藻着 13:30

   3日目は、4時30分に起床して準備を行ない6時50分に出発。3日間とも天気には、恵まれた。しばらく、ヘットランプをつけて歩く、いきなり100m近くの登りで足場も悪く歩きづらい。この付近は、岩が多く巻いて歩く事になるが、私だけ直登する。   
346mピークを過ぎてからは、きれいな道が残っており非常に歩きやすくなる。この道は、松無崎まで続く。おそらく、旧陸軍が使用した道と思うが現在もなおこの状態で残っているのが不思議な感じがする。

岩さん   松無山 249.5mにて

   松無山からは、道が松無崎の方へ続いているためにきちんとルートを確認しないと迷う事になる。ここでは、コンパスで神崎半島へのびる尾根を見定め、しばらくコンパスたよりに歩く。尾根状になればあとはそこを歩けば問題ない。

   尾根と浅藻からの道の合流点に荷物をデポして、空身で神崎半島を往復する。
神崎半島    神山

神崎半島からの内院島

   この付近は、5月に来ると薮で大変だが、花が多く香りがすばらしい。

菜の花

   神崎半島には、早くも菜の花が咲いていた。

神崎灯台

   州藻から30`歩いて半島の先端から見る海は、感動ものだ。

今回の縦走の終着点の厳原町浅藻

浅藻にて