土合駅

 はじて谷川岳に登った時に感動したのは、山ではなくこの土合駅の階段でした。列車を降りてから、改札まで10分も階段を登らなければなりません。



日本一のモグラ駅


 ホームから改札口までは、コンクリートのトンネル内にある486段もの階段を上らなければなりません(所要時間約10分)。改札口の標高は653.7メートル、下りホームの標高は583メートルで、実に70.7メートルの標高差があります。「関東の駅100選」にも認定されています。



 1月9日  土合駅 ステーションビバーク

  八ケ岳から東京経由で群馬県へ移動しました。
 東京周辺は、本当に交通の便がいいです。

  週末の土合駅は、一昔前は、岳人であふれていたようですが、今では静かなものです。
 現在では、都心からも高速を使えば3時間以内でこれるらしく、ほとんどの登山者が自 家用車のようです。しかし、、自家用車利用でも、駅で仮眠を取る登山者も多いようです。
  今回は、そんな二人といっしになり、夕食を共にしてご馳走になりました。3週間近くもほとんど一人で行動していたので、いろんな話ができて最高でした。 

 10日  西黒尾根雪洞泊

   末永単独

  

 この日は、目覚ましもかけずに久しぶりにゆっくり眠りました。
1泊2日で、雪洞泊で谷川岳に登ります。
 天神尾根より、西黒尾根方がはるかに困難なので、西黒尾根から登ることにします。
前回、秋に登った際と逆のルートですが、前回は半日で終了しているので、スキー場のコンドラ乗り場で、時間をつぶして、11時位から登り出しました。

 登山指導所(閉鎖中)付近で、谷川岳3千回を目指し、ザックに千恵子1番、谷川岳2番と書いている伯父さんに追いつかれました。年齢の割には、とても足取りがしっかりした方で相当の経験者のようです。千恵子は、奥さんということで愛妻家のようです。しかし、今回は、水場の確認ということで、谷川岳には登らないようです。
 しばらく歩くと、愛妻家の伯父さんは、トレースがないので、あっさり引き返されました。

 ということで、八ケ岳に引き続き、またラッセルです。
西黒尾根に出たところで、わかんをつけてダブルストックで登ります。とにかく、歩くのみです。八ケ岳により、積雪は多いですが、雪がしまっているので、歩くのはだいぶ楽です。

 それにしても、地域によっての雪質の違いには驚きます。

   西黒尾根からの土合駅   

 

西黒尾根からの白毛門

この上は、森林限界

 森林限界付近の標高1400m付近で、雪洞を堀りました。頂上小屋まで、日没までに行けそうでしたが、雪洞を掘ることが目的でしたので14時位から約2時間をかけて完成させました。スノソーがあればもう少し楽に掘れたと思います。

 雪洞内部

 雪洞内部の温度は、概ね0度位です。テントよりとても暖かく感じました。雪洞内部で調理する時は、調理具の周囲には、マットを敷かない方がいいようです。もし、お湯などこぼしても、雪が吸い取ってくれますので。

 

雪洞の出入り口

 雪洞の掘り方は、山岳雑誌で読んだだけで、全くの自己流です。出入り口は、ブロック状の雪で塞ぎます。夜は、ものすごく静かで熟睡できました。

11日 

 翌朝は、8時から行動しましたが、前日に頂上小屋まであと2時間と思ったところが、5時間もかかりました。昨日、早めに雪洞を掘って正解でした。冬期の縦走では、遅くとも
15時には、行動を打ち切って幕営の準備をした方が賢明のようです。

 私のトレース(足跡)

 写真では、分かりにくいかもしれませんが、右側に雪庇ができています。ひよっとしたら、このトレースも雪庇に乗っていたかもしれません。

※ 西黒尾根からの:山の稜線(りょうせん)上の風下側に庇(ひさし)のように張り出した積雪。

 この2枚の写真は、西黒尾根のほぼ同じ位置です。積雪の多さが分かります。

頂上小屋の休憩室

 谷川岳の頂上小屋は、営業小屋になっていますが、冬期は、一部無料で解放してありました。とてもきれいで、管理人さんの手入れが行き届いていると感じました。

 谷川岳山頂(トマの耳)

 トマの耳で、野うさぎを見かけました。こんな寒さの厳しい所によく生存できるものだと思います。
オキの耳は、10分ということでしたが、ラッセルは確実なので、往復すれば2時間位かかる可能性があるので今回は、パスしました。
 谷川岳は、『トマの耳』と『オキの耳』と呼ばれる二つの山頂がある双耳峰です。
九州の双耳峰では、由布岳(西峰・東峰)が有名です。ちなみに対馬の白嶽(西峰・東峰)も双耳峰です。

トマの耳からの西黒尾根

半分埋没している頂上小屋

  下山は、天神尾根を下りました。トマの耳付近は、広くてガスった時は、慎重に方位を確認して行動しないと尾根を一つ間違えて、下山したりすると大変なことになります。
確信が持てない状態で行動するようであれば停滞して、視界が開けるのを待つべきだと思います。幸いこの日の視界は、十分でした。以前10月に西黒尾根を下山した際は、途中視界が悪い時もあり、怖いなとかんじた記憶があります。

天神尾根からの西黒尾根

 天神尾根スキー場からは、新しくなったゴンドラで一気に下山しました。文明の利器は、やはりすごいです。

11日  永楽荘

  天神尾根スキー場のチラシを見て、旅館 永楽荘に宿泊しました。1泊2食で6千円〜6千八百円で宿泊できます。
料理もお風呂も最高でした。

 12日〜14日 ペンション 愛花夢 泊

 2泊3日でNIAJの雪崩講習会に参加いたしました。講師二人で受講者二人で恵まれた環境でした。もう一人の受講者の方は、既に登山ガイドに合格済みでしたので、受験対策についてアドバイスを受けることができて、大変有意義でした。