屋久島(焼野付近にて)【昭和63年8月】
すべての経験にはじめての体験があるように、誰にも「はじめての登山」があります。このページは、はじめて山に登る方を対象に作成しています。順次、更新していきますので、その内容に修正がある事、そして、個人によって様々な考え方があることをご理解の上、参考にしていただければ幸いに存じます。
1.登山ルート
リーダーやガイドがいる場合は、ルート選定は、任せます。ただし、体力面のことや自分が嗜好する登山については、明確に伝えることが必要です。
リーダーもしくはガイドは、最も弱い方を中心にメンバー全員の安全をまず優先的に考えています。一人のリーダーやガイドにこだわらず、自分が求める登山に導いてくれる指導者と登ることが楽しく登山を継続する方法かもしれません。
リーダー不在で、山に登る場合、かならず自宅近くの低山から登ります。どんな低山であっても、周囲に人がいない場合は、誰でも不安になりますので、なるべく登山者が多い山を選んで下さい。そして、必ず午前中から登り、午後2時ごろには下山するようにこころがけて下さい。小学校時代に遠足で登った山などがベストだと思います。
2.装備
装備については、順次そろえていくことになると思います。具体的には、経験者に相談することが最も望ましいですが、周囲にそのような知り合いがいない場合は、直接、登山用品店の方に相談することになります。登山の場合は、下着についても装備と考えてください。
3.その他
とにかく、楽しく登ることが大切です。経験もしくは装備が十分でない場合は、とにかく条件がいい日に登りましょう。それと、山に登るだけではなく、花や紅葉そして山での食事等の他の要素も楽しみに取り入れる方が心に残る登山となるようです。
装備について(靴・衣類関係)
九州内の登山を前提にしています。 無雪期:3月 〜 11月 積雪期:12月 〜 2月
◎:適切 ○:良 △:可 ×:不可(参加不可)
項目 | 専門用品 | 代替品 | 写真 | 無雪期 | 積雪期 | 備考 1 | 備考 2 |
靴 | 軽登山靴 (ハイカット) |
- | ◎ | ○ | 初心者程、ハイカットで足首を保護が必要 | 特に積雪期に使用する際は、撥水スプレーを吹きかけ、撥水性を高める。 | |
冬期対応登山靴 | - | ◎ | ◎ | 防寒対策のきいた革靴が主流 | 革靴にミンクオイル等のクリームを十分にしみこませておく。 | ||
スパッツ | ロングスパッツ | - | スパッツは、積雪のことも考え、必ずロングを購入すること。 | ファスナーは、前についている方が、着脱かなり楽です。 | |||
靴下 | 化繊 | - | ◎ | ○ | 汗をすばやく発散します | 予備を必ず持つこと | |
ウール | - | ◎ | ◎ | 濡れても冷たくありません | |||
- | 自宅にある厚手の靴下 | ○ | △ | 中厚のものであれば重ね履きを | |||
帽子 | 帽子(日焼け対策) | ◎ | × | 日焼け 熱中症 対策 | 首筋の日焼け防止があると良い | ||
帽子(寒さ対策) | △ | ◎ | 頭 手足 を冷やしてはいけません | 耳を保温できること | |||
目出帽 | - | × | ◎ | 耳鼻の凍傷予防です。 | 風が強い場合は、目出帽が必要です。 | ||
- | 耳鼻口を覆うことができるもの | △ | △ | ||||
下着 | 化繊 | - | ◎ | ○ | 衣類は、条件が悪化した時に、生命を守る道具となります。専用下着での登山を心がけましょう。 綿の下着は、無雪期であっても決して適した素材ではありません。特に、積雪期に綿の下着で登山を行なう事は、絶対に避けましょう。 特に積雪期の下着の上は、ハイネックでファスナーで体温調整できるものがベスト。 |
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メリノウール | - | ◎ | ◎ | ||||
- | 持っているもので化繊及びウール | ○ | △ | ||||
- | 綿 | △ | × | ||||
中間着 | 化繊 | - | ◎ | ○ | 中間着は、下着から拡散された汗が留まっても、寒さを感じないウール物がベストだと思います。通常のウールよりも、滑らかなメリノウールが肌触りもよくかさばらず最適です。 襟があってファスナーやボタンで体温調整できるものがべスト。 |
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ウール | - | ◎ | ◎ | ||||
- | 持っているもので化繊及びウール | ○ | △ | 下着同様、綿はさけて下さい。 | |||
外着 | 裏地のないゴテックス | - | ◎ | ◎ | ゴアテックスの雨具がベストです。九州の厳冬期であれば雨具のゴアテックスで十分です。裏地のある冬用ゴアテックスは、温度調整がしづらいです。重ね着で調整下さい。 | ||
- | 手持ち雨具 | ○ | △ | 透湿性がほとんどないので、自分の汗で中間着や下着が濡れてしまう可能性があります。ゴアテックスの雨具は、防寒着としても最適です。 | |||
- | 手持ちの防寒ジャケット(ダウン等) | △ | △ | 冬山でも雨天になることが、その際のためにも別に雨具が必要ですので、荷物が増えます。雨具=防寒具のゴアテックス雨具がベストです。 | |||
手袋 | インナー | - | 不要 | ◎ | シルク 化繊 ウール などがあります。 | ||
ミッド | - | ◎ | ◎ | 化繊 ウール があります。 | |||
アウター | - | 不要 | ◎ | 裏地のない、ペラペラのアウターが低価で、乾きやすい。 | |||
- | インナー ミッド 100円ショップのフリース |
◎ | ◎ | 低価なので、濡れを前提に必ず予備を持つこと。 手袋がなければ積雪期の登山は参加不可。 |
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- | アウター ホームセンター等で購入 |
不要 | △ | 濡れと風を防ぐことが目的。蒸れを考慮すること。 アウター手袋がなければ積雪期の登山は参加不可。 |
装備品の中でも、靴や衣類関係は、登山に直接影響を及ぼすものです。登山をはじめたばかりの初心者が全ての装備を一度に揃えることは、金銭的にも負担がかかりますので、徐々に揃えていくことになると思いますが、優先順位をつけて購入してください。
1.登山靴
2.下着類
3.外着(アウター)