祖母傾山縦走路【2010.1.1】
2009年の年末山行を阿蘇の北面を予定していましたが、山仲間が怪我のため行けなくなったので、単独で祖母傾山の縦走に行ってきました。
2009.12.30(水)〜2010.1.4(月)
末永単独
年末の12月30日の23時過ぎに佐世保を出発。阿蘇経由で、神原を目指す。大分道経由より、早くついたような気がしますけど。
さっそく、神原登山口の駐車場で、車内で仮眠をする。
12月31日 実況天気 by気象人
神原登山口駐車場
単独なので数時間の仮眠で起きるはずもなく、二度寝を決め込み出発は10:00時をすぎる。
登山口付近の積雪はなく、はじめての登山道を新鮮な気持ちで歩く。
滝
五合目小屋までは、両岸に登山道があり、滝見物の遊歩道として位置づけてあるようでが、滝見物目的で年間に何人の方が歩くのでしょうか。
ところで、以前この登山道が不明瞭で迷ってしまい、ビバークしたという方とお会いしましたけど。その時から、かなり整備されたのでしょうか全くそのような感じはしませんでした。
立派な五合目小屋
五合目小屋は、私がこれまで訪れた避難小屋では最も快適そうな小屋でした。この小屋に宿泊しての、のんびり〜祖母山もいいですね。
祖母山は、佐世保から遠いので。日帰りではちょっときついですよね。
清潔で立派な避難小屋
さすがに、この日は寒波がきていますので、寒いです。でも雪はそう多くはありません。
国観峠 登山者を守り続けるお地蔵様
国観峠から祖母山頂までの登山道は、数十cmの積雪がありました。山頂は、あまりに寒く視界もなかったので、写真も撮りませんでした。
ところで、2010年1月4日、NHKで放映された栗城さんは、すごいですね。高所をソロで登り、動画を撮影までするのですから、いろんな要素を考慮すると通常の登山よりもかなり大変なはずです。野口健の存在がありながらも、きちんと資金集めもできるわけですから、マネージメントの才能も多彩なようです。今秋のエベレスト成功できることを祈っています。
祖母山付近は、こんな感じす
黒金尾根の分岐で、ツエルト泊しました。
今回、使用したツエルトは、ファイントラックの製品です。結露の発生が抑えられていますので、ツエルトを積極的に使用する方には、最適な商品だと思います。
実際に、今回のツエルト3泊では、全くといってよい程、結露しませんでした。
この夜の気温は、氷点下15℃でした。
1月1日 実況天気 by気象人
前日の寒気も収まり、高気圧も張り出して穏やかな2010年の始まりでした。
雪が舞っています
古祖母山
縦走路のテント場であるブナ広場の少し古祖母山よりに祠があります。その賽銭として、寛永通宝が2枚あります。はじめて歩いた時から気がついていましたが、今回撮影してきました。
ブナ広場(幕営地)
おだやかな元旦でした。
この日は、15時前に九十九越小屋に到着しました。もう少し、歩くこともできましたが、誰もいない小屋の内部にツエルト張って宿泊しました。
ツエルトを張ることによって、内部の気温が約5℃上昇する事が分かりました。ダブルウォールのテントで約10℃の上昇ですので、まあこんなもんでしょう。
1月2日 実況天気 by気象人
今朝も昨日同様良い天気です。早朝2時に起床しましたが、二度寝してしまい出発は、8:30となりました。単独だから、なせる技?ですね。
二度寝する際は、目覚ましもかけませんでしたので。くれぐれも皆さんは、真似はしないようにしましょう。朝寝坊で時間がなく敗退なんて人には言えませんので。
こんなことでいいのでしょうか。ガイドの時は、目覚まし一発で起床するように心がけよう。
傾山
傾山の道標も傾いていました。何とか真っ直ぐ取れるように修正しましたが完全ではないですね。
芸術品のような「つらら」
登山道も凍る
三つ尾から、坊主尾根に分岐してすぐのところは、よく冷えるとみえて、この時期よく氷が張っています。一部断崖となっている部分もありますので、注意が必要です。
ちなみに、坊主尾根上部の難所の部分は、全く積雪もなく凍ってもいませんでしたが、この時期に祖母傾縦走を行う方は、ピッケルと10本爪以上のアイゼンが必要だと思います。
不必要であれば使わなければいいですが、必要な時になくて、無理していれば事故につながるおそれがあります。
坊主尾根
3泊目もツエルト
ツエルトを張るには、少々のコツとテント設営よりも時間を要します。テントのときよりも、時間的な余裕を持って、設営する事が重要です。
私は、ツエルトを張る場合、基本的にロープを使いますが、一番のポイントは、屋根の高さにあると思います。やはり張った状態が美しい方がいいですからね。
写真は、ストック2本を使用していますが、最適な高さを自分なりにあらかじめ決めて置く事が、すばやく美しく張るコツです。
ブラックダイアモンドのストックは、高さの印もあるし、軽いし、安いし、伸縮機能の作業が行いやすいしとても優れものだと思います。
この薄い膜1枚が、精神的なくつろぎと命さえ守ってくれることもあるかもしれません。ツエルトは、登山者の全員が装備して、使えるようになりたいものですね。
1月3日 実況天気 by気象人
この日は、必ず下山すると決めていましたので、5時過ぎから行動しました。
1時間30分程、ヘットランプでの行動です。
障子岩も大障子岩のピークにも立たず、先を急ぎましたが、またしてもタイムロスです。
障子岩から大障子岩の中間地点で、ルートが左に90度程曲がる箇所があるのですけど、ここは視界がない場合はミスしやすいところです。
おまけに、ミスしたルートにテープまでありますので、要注意です。基本的にルートから外れると、困難な箇所や極端に藪となったところが出てきますので、分かりはしますが逆にある程度経験がある方は、そのまま突っ込む事があるかもしれません。
迷ったら引き返すことが原則ですが、これを無視しての事故は多いかもしれませんね。経験を過信することなく、困難な箇所を歩くより、絶対に引き返して正規の登山道を歩いた方が早く安全であるということを常に念頭においておく必要があります。これは、皆様へのアドバイスであると同時に自分自身への言い聞かせでもあります。
最後は、大障子岩を過ぎた八丁越から神原の集落へ下山して、登山口まで登り返しました。
竹田市へいったん出てから、花水月で温泉に入ってから、ゆっくりと帰宅しました。