平成16年8月3日(火)池ノ平小屋近くからの八ツ峰
期間 : 平成16年7月30日(金) 〜 8月5日(木)
CL
: 末永
SL
: 林
昨年の夏山、北鎌尾根縦走終了直後後から予定していた、剱岳の岩尾根縦走を行なった。当初6人での計画であったが、直前にアクシデントがあり、末永・林のいつもの2名のみの参加となった。
7月30日(金)
仕事を終えて、19:30に長崎を自家用車で出発。途中、PAで林さんと合流して一路、高速で富山を目指す。
31日(土)
7:30に富山着。ちょうど12時間で到着。市内の知人宅に車を預け、電鉄富山で立山駅へ。
立山駅には、大きな駐車場があり駐車代がなんと無料であった。仕事と長距離運転の疲れもあり、室堂まで二人とも仮眠を取る。
観光客で賑わう室堂
地獄谷
雷鳥平幕営指定地
初日は、剱沢までのんびりと歩くが、雷鳥平から登りで疲れのせいか27`のザックが重たく感じられる。剱沢定着ということもあり、普段持参しない食料と多めに持参したクライミングギアのためザックがいつもよりも重たい。
八ツ峰から北方稜線は、当初全装備を担いで縦走するつもりであったが、この時点でツェルトのみの縦走に早々と変更。剱沢小屋の幕営料は、1人何泊でも500円ということなので、定着山行だったのでありがたかった。トイレも新しく非常に清潔。
8月1日
源次郎尾根の取付
4:30に剱沢発。源次郎尾根には、ルンゼからではなく末端からの明瞭な踏み跡から尾根に取り付く。尾根道は、枝もきれいに払われ非常に歩きやすい。
雷鳥の親子(源次郎尾根にて)
尾根上までの急登は岩場もあり、状況によってはロープ確保が必要。尾根に出てからは、長次郎谷を隔てた八ツ峰で昨日発生した遭難事故のため早朝よりヘリ2台での救助が間じかに見えた。
熊の岩
熊の岩は、剱岳でクライミングを行なう岳人の幕営地なっている。本来は、幕営指定地ではないらしい。
U峰からの懸垂
時間に余裕があるので、剱岳の概念を把握するためにじっくりと時間をとりながら進む。
源次郎尾根からの八ツ峰
源次郎尾根からの展望
源次郎尾根から後立山方面
結局、ザイルはU峰での懸垂のみに使用。10:20剱岳着。
剱岳山頂から源次郎尾根
山頂でのんびりと過し、別山尾根経由で剱沢下山。別山尾根は、私が知る限り一般ルートでは最も危険率が高いように思う。雨天時の登山は見合わせたい。
別山尾根からの源次郎尾根
8月2日
八ツ峰から北方稜線縦走。3:30に剱沢発。4:40長次郎谷出合着。ここでアイゼンとピッケルを用意して雪渓を登る。今年は、雪渓の状態が悪く、クレバスもできていた。
長次郎谷取付
TU峰間のルンゼを登るが、取り付きの間違いと最後の詰めのルートミスにより大幅にタイムロス。
八ツ峰からの剱岳主稜線 剱本峰(左端)
八ツ峰
尾根に出てからは、源次郎尾根縦走時よりは迅速に行動したつもりが、八峰頭到着予定時刻12:30が16:20この時点で、剱沢に戻る事もあきらめ三ノ窓ビバークを決意。シュラフもガスもテントもなくツェルトのみビバーク。二人であれば池ノ平小屋まで1日で抜けられると思っていたのだが。水もなかったが口が広い1リットルの容器に雪渓の雪を詰めると一晩で完全に溶けて水になっていた。
8月2日
小窓王南壁付近からの池ノ谷
5:36三ノ窓発。小窓雪渓で鉱山道の取り付きで迷い、ここでも大幅タイムロス。途中昼寝をして、池ノ平小屋でも2時間程休憩して仙人池ヒュッテを経由して剱沢を目指す。
小窓から望む小窓王南壁
平成16年8月3日(火)池ノ平小屋近くからの八ツ峰
二股で水浴びをするなどゆっくりしたために真砂沢ロッジで17:00となる。明日の自家用車の帰省の事も考え、予定を変更して真砂沢ロッジ泊とした。
林氏に無理をお願いして、山小屋泊としたおかげで入山前からの疲労と入山後の睡眠不足の疲れもとれ、何とか自家用車で無事に長崎まで戻る事ができた。
剱御前小屋にて剱岳を背景に記念撮影
今回、入山前から過労の状態でそのまま山行に出かけたので、今後は入山前の体調管理に万全を期したい。