浅藻から見た龍良山(中央)

有明山付近の地形図を見ていて稜線沿いに対馬の南端まで行けるような気がした。厳原より有明山に登り、そこから神崎までの延々18`は、地形図を見る限り登山道はない。おそらく水場もない。やぶこぎと水そして虫の問題で冬場の実施を考えていた。そして、思い立って1年余りやっと対馬やぶこぎ山行を実行する時がきた。単独では寂しいので、M渡さんを誘う事にした。思い出に残る山行にしたいものだ。

期 間:平成13年3月17日() 〜 18日()

メンバー

C L  末永
S L  M渡

今回の山行で縦走したピーク

山 名 緯 度 経 度 標 高 到着日時
有明山 34'12'04'0 129'16'02'0 558m 3/17 6:40
竜本山 34'11'38'1 129'15'57'7 468m 7:20
断伐山 34'10'18'9 129'15'42'8 480m 9:40
板置山 34'09'53'3 129'15'54'0 460m 気づかずに通過
舞石壇山 34'09'36'7 129'15'28'1 536m 11:20
萱場山 34'08'33'2 129'14'29'2 512m 13:40
龍良山 34'08'20'1 129'13'27'0 559m 15:40
松無山 34'05'59'8 129'13'25'3 250m 3/18 12:25

3月17日(土) 1日目

やぶこぎの縦走で全くどうなるか見当がつかないため、とりあえず初日は早朝5時からの行動となった。厳原の八幡神社から有明山までは約90分で登る。ここからは、しばらくひたすら南へ歩く。1年前なら有明山から読図が必要であったが、現在は厳原町の測量のため、やぶがはらわれかなり歩きやすくなっている。竜本山までは、やぶがはらわれていると思っていたがなんと龍良山までほとんどやぶこぎなく稜線を歩く事ができた。
M渡氏(舞石壇山にて)

初日は、視界が全くきかなかったにもかかわらず、厳原町と国土地理院の調査のために、稜線は木がはらわれ。ほとんど通常の登山道とかわらないタイムで歩く事ができた。ただし、基本的に登山道ではないため、いっさい道標はなく、はらわれた木が鉈で斜めにおとされたままになっているので、転倒でもすれば大ケガになりかねない状況だ。
















登山ということで、HPの掲示板に現在位置を入力するつもりでいたが、携帯が全くつながらなかった。


萱場山にて

龍良山に、15時40分に到着。すでに全行程の3/5程度消化している事と明日は天気がよさそうなので、558mの山頂であるが龍良山にツェルトを張る事にした。

ツェルト(通常非常時用だが、テント代わりに使用する。)

龍良山からの萱場山
龍良山から神崎に伸びる尾根

今回の装備については、特に軽量化は考えず食事もレトルトで味を重視しました。それと重要なことは、稜線と尾根のみの歩行となるで二日分の水として二人で8gの水を準備。

【山行計画表から抜粋
装 備 一 覧
登山用具 生活用具 食事用具
ザック(中) 50g 1 ツエルト 1 コンロ 1
ザックカバー 1 ツエルト用支柱 1 ガス(小) 1
補助ロロープ8ミリ30b 1 ツエルト用フライ 1 コッヘル二人分 1
シュリンゲ(長・短) 3 マット 2 ビニール袋 各自
ハーネス 1 シュラフ 1 食料一式(行動食除く) 5食分(予備含)
エイト環 1 ヘッドランプ 1 スプーン・はし 各自
環付カラビナ (大・小) 2 予備電池 1 カップ 各自
カラビナ(小) 3 雨具 1 ナイフ 各自
地図(地形図) 1 スパッツ 1 行動食 各自
地図(GPS) 1 帽子 1 トイレットペーパー
磁石 1 手袋 2 新聞紙 1日分
目印用赤布 多数 中間着(上下 予備含む) 1 嗜好品 適当
GPS 1 下着(上下) 2 各自4g
筆記用具(記録・無線用) 1 くつ下(予備服務) 1 サプリメント 少々
のこぎり 1 洗面具 2 コーヒー 少々
はさみ 1 ライター 1 緊急用具 1
ろうそく大 1 緊急薬品 1
トイレットペーパー 1 アマチュア無線機 1
小型スコップ 1 携帯電話 1
デジタルカメラ 1 非常食 各自


3月18日 2日目

2日目は、初日に全行程の3/5程度消化しており、あとはほとんど下りなので7時過ぎてからの行動となった。「龍良山から神崎に伸びる尾根」の写真を見ても分かるように神崎まで顕著な尾根がのびているので、遅くとも昼までには、神崎に到着するものと思っていたが、龍良山を出発してまもなく尾根を西側にそれてしまいここで90分ほどタイムロス。2万5千分の1地形図を確認すると迷うはずはないと感じるのだが、実際に歩いてみると小さな尾根がいくつかあり、主尾根からいつのまにかずれてしまったようだ。

ルート修正作業中

主尾根にはあった立派な道

主尾根にあがるとなぜか、走ることもできるような立派な道があった。この道は、途中悪くなるが松無山をすぎて松無崎の標高135mまで続いていた。松無山から神崎には、方位を修正しなければならなかったが、松無山から伸びる尾根が2本あることを見落としていたためと、そのまま松無崎の方へ道が続いていたためにまたしても迷ってしまった。(松無山付近2万5千分の1地形図)しかし、神崎半島と豆酘崎の写真を撮る事ができた。

松無崎からの豆酘崎

松無崎の先端まで行ったところ50mほどの断崖絶壁だった。松無山まで戻らずに途中から海岸におりて神崎へ行こうと考えたが、安全面と当初のルートをたどるために、また1時間かけて松無山まで戻り再度じっくり地図を確認する。しかし、松無山から顕著に神崎方面へのびる尾根は、見通しがきかないことと尾根の出だしの傾斜が緩やかでさらにやぶがひどく非常に分かりずらい。方位を確認して進むがまたしても間違っていたようだ。正確に言えば、古くからの巻道がついており、その道を歩いたためにまたしても松無崎の方面へ歩いてきてしまった。これは、最終到達地点の緯度経度をGPSで記録して自宅に帰って確認してから分かったことだ。山行中は、神崎の半島にいると思っていた。いつも頭の中で、地形を思い描いて歩いているのだが、全く見当違いだった。

最高到達地点

結局時間ぎれで対馬やぶこぎ山行は、成功しなかった。日が暮れるのを覚悟の上で行動していれば、山中でビバークしていたかもしれない。安全第一で古くからの巻道をとおって浅藻へ抜けてタクシーで厳原へ戻った。

浅藻からの神山(かうやま)左

今回の山行で、やぶこぎの時は面倒でも何度も地図とコンパスでの確認が必要と感じた。ルートを事前に確認して迷いやすいところは、さらに慎重になることが大切だ。また、今のコースが正しいのか常に疑ってみる事も重要。完全に走破できずに残念だったが、また次回の楽しみにとっておこう。

それと、今回の山行を州藻からつなげば、40キロ余りの縦走ができそうですよ。