有明山と白嶽 【厳原町舞石ノ壇山近くから】(H13.9.23)

期 間:平成13年9月22日(土) 〜 24日(月)

メンバー

C L : 末 永
S L : M田

   2001年3月に厳原から有明山へ登りそこから神崎半島まで縦走を試みたことがあったが、途中でルートミスがあり松無山付近で時間切れとなった。この縦走を州藻からつなげれば40`近くの縦走になるのではと思い今回州藻から神崎半島への縦走を2泊3日で計画した。実際に地図ソフトカシミールを使って距離を計測したところ約30`であった。しかし、行程の半分は、正規の登山道ではなく、時期も9月ということで多少のやぶこぎも予想されることからそうそう簡単に走破できるとはおもっていなかったが結果的には3月の山行と同じ龍良山からの下りでルートミスしてしまいまたしても時間切れで神崎半島まではたどりつけなかった。成功したら『山と渓谷』に投稿しようと思い、同行者のM田氏にも了承を得ていたのに・・・。

   平成13年9月22日(土)

白嶽州藻登山口66m 発(8:40) ⇒ 鳥居302m (9:16) ⇒ 白嶽山頂(西峰)519m ⇒ (10:10) ⇒ 白嶽三角点515m二等三角点(11:45) ⇒ 大阪壇山直下 (12:55)⇒ 白嶽州藻登山口66m経由 ⇒ 大阪壇山直下 (14:50) ⇒ 白嶽上見坂登山口326m (15:30) ⇒ 権現山412m ⇒ 権現山付近泊(16:15)

   早朝6時にM田氏と対馬支庁で待ち合わせ、下山口となる浅藻へ車を持っていく。厳原町から30分の距離だ。再び厳原経由で、白嶽州藻登山口へ、途中準備不足があったために、出発は、8時30分となった。対馬へ赴任して幾度となく通った登山道でも山行の目的が異なればまた違った雰囲気がある。この日は朝からの強風のために重たいザックにもかかわらずあまり汗をかかない。2泊3日の縦走なので荷物はそう重たくはないが、冬山に備えてあえて軽量化には努めなかった。州藻からの登山道は、1年程前に登山道の再整備がなされたがまた少し荒れはじめた。雨が降ると水が流れどうしても荒れやすいようだ。

整備された案内板

整備された登山道

   登山口から約40分で鳥居に到着。ここには、いつも塩があり新しい旗が立っている。信仰目的の人がそれだけ多いのだろう。鳥居からは、かなりの急登となり後半はロープ伝いに登る事になる。

鳥居

山頂手前の広場

    山頂の手前には、幕営にちょうどよいかなり大きな平坦な広場がある。ただし、水場がないので下から担ぎ上げなければならない。広場の前は、ロープが設置してある登りになるがその右手が東峰で左手奥が西峰となる。通常、西峰が登山の対象となっているが東峰の方が眺めが良い。だが、、ガイドブックによれば登れないという解説がある。しかし、少しでも岩の経験等があればザイルなしでも簡単に登る事ができる。ただし、鎖等の残置が全くないので初心者は登らない方がよい。適切なルートは、ある程度の経験があれば一目瞭然。

白嶽東峰からの浅海湾

   この日は、風が強いためか展望はすばらしかっが、岩場ではかなり緊張した。

白嶽東峰からの西峰(男岩)

   写真中央の後方にそびえるもっとも高い山が、対馬最高峰の矢立山649m.。

西峰山頂には、東峰経由で登ったために登山口から90分程かかっているが、強いパティーであれば1時間程度で登る事が可能。

M田氏(西峰にて)

   西峰山頂の後方の岩が東峰山頂となる。この日は、上地区の山々も見えていた。西峰からは、白嶽三角点を目指す。ガイドブック(分県登山ガイド  長崎県の山)によれば、いったん鳥居まで降りて上見坂への縦走路からと解説があるが、我々は、稜線を忠実にたどった。稜線から行くためには、山頂から5分程下って右手の壁の基部をまわり込み稜線にあがりその後は、三角点までいくつかの岩を巻いて稜線つたいに歩く。岩場は、1ケ所をのぞいてすべて左から巻いた。三角点へは、三通りのコースが考えられるが稜線コースが最も早い。

稜線コース入口

稜線コース

白嶽三角点にて

   三角点からは、ガイドブックにあるコースをたどるが、三角点が岩場となっているので注意が必要。技術的には、ガイドブックに登れないと書いてある白嶽東峰とかわらないと思う。岩場をおりてからは、しばらく稜線を南へ進み鞍部から左へ植林地を下ると上見坂への縦走路へ出る。

   縦走路の分岐点でM田氏に『車の鍵持ってますよね!』とたずねたところ何と私の車の中に忘れたとの事。これでは、帰りのタクシー代を節約するために浅藻へ車を持っていった意味がない。タクシー代と鍵を取りに戻る時間を天秤にかけて、結局、鍵をとりに戻る事にした。登山道を戻れば、3時間以上かかるので、登山口付近から大阪壇山の直下にのびる沢をおりる事にした。以前、白嶽付近で読図の練習をしていたのが役にたった。おかげで大阪壇山から州藻登山口まで2時間あまりで往復。浅藻から州藻までタクシーに乗ったら確実に1万円超となるので二人で4時間時給二千五百円だ。儲かった。?

    

上見坂の白嶽登山口

   上見坂ですでに3時30分である。予定からするとかなり遅れている。遅れながらも有明峠まで考えていたが、歩く事がいやになってきたのであっさりと権現山付近のテレビアンテナ?の横に幕営地を決める。あまりに風が強く植林地に入って風を避けようかとも考えたが、暗いのでそのままここにテントを張る。ここからは、厳原の自宅まで走れば40分の距離だ。後日、自宅に戻ってから『初日は、あまり進んでなかったのね。』と言われてしまった。食事の用意は、風を避けてテント内部で行った。夕食のメニューは、生のホルモン焼きだ。長期の縦走時とは、比較にならない豪華な食事だ。うまい!夕食後は、めったにやらなくなった無線でCQを出す。

   平成13年9月23日(日)

権現山付発(5:10) ⇒ 有明山登山口452m(6:00) ⇒ 有明山 558m 一等三角点(6:30) ⇒ 有明峠424m(7:10) ⇒ 竜本山 468m 四等三角点(7:30)⇒ 舗装路(日掛ヘ)302m(9:03) 水補給 ⇒ 佐須川へ水汲み往復40分 ⇒ 断伐山 480m (11:08) ⇒ 板置山舗装路(12:06) 大休止 ⇒ 舞石ノ壇山 536m(2:07)舗装路(内山峠)429m (14:30) ⇒ 萱場山 512m 四等三角点(16:10) ⇒二等三角点 龍良山 559m 泊(17:27)

有明山山頂558mからの矢立山649m

    翌朝、3時30分に起きて朝食を済ませ、5時10分に出発。まだ暗いが何度も歩いている林道なので、ヘッドランプなしで歩く。登山口に着いたころには、明るくなっておりよてい通りヘッドランプなしでこの先も歩けるようだ。30分程で有明山へ到着。山頂は、むかし放牧がおこなわれていたということで草原のようになって、一等三角点でもある。有明山の三角点は、角が欠けている。三角点ハンターと呼ばれる人が記念に持ちかえったのだろうか?。

今から歩く稜線

   ここから先は、整備された登山道はない。さすがにまだ9月なのでかなり薮がひどい。これから順調に行けるか不安になる。歩いてみると薮もひどいがクモの巣が多くとりなのぞきながらあるくのでかなりの時間が必要となる。今年の3月とくらべれば1.5倍くらい時間がかかっている気がする。予定よりかなり遅れてしまったので、水が不足してしまい日掛の佐須川へ降りて水を補給する。往復で40分を要した。

   板置山付近でいったん舗装路に出る。ここで大休止をとってコーヒーを沸かす。山行時には、必ずレギュラーコーヒーを持参するようにしている。M田氏は、この昼食の休憩でだいぶ楽になったようだ。これから舞石ノ壇山を目指す。ここもかなりの薮こぎとなる。山頂手前に見通しの良い岩場がる。ここは、日韓トンネル基準点の標識があった。壱岐との測量点だろうか。ここからは、矢立山、白嶽、なかなか全容が見えない有明山もきれいに見る事ができる。非常に眺めが良いところだ。しかし、今の時期にここに来るには、舞石ノ壇山から来るにしてもかなりの薮こぎの覚悟が必要だ。冬場に来るのが賢明である。

有明山と白嶽 【厳原町舞石ノ壇山近くから

矢立山(左)と小鳥毛山【厳原町舞石ノ壇山近くから

   舞石ノ壇山から真南へ下るとすぐに内山峠に出る事ができるが、薮のためになかなか降り口を見つけることができなかった。2回目だったので何とかなったが初めてだったらかなり厳しかったかもしれない。内山峠では、渡り鳥のアカハラダカの鑑賞会があっていたが山行中一匹も見る機会がなかった。なかなか注意してみていないとわからないようだ。

内山峠

    内山峠からは、萱場山経由で龍良山を目指が、薮こぎとクモの巣はらいにはあきあきしてきた。しかし、ここであきらめるわけにはいかないのでひたすら歩く。しばらくすると陽あたりの良い岩場にダン菊が咲いていた。今年はじめて見るダン菊だ。少し時期が早いような気がするが岩のそばなので開花が早かったのだろうか。

ダン菊

    萱場山に到着したのが、16時10分となり、今日の幕営地を龍良山と決めてひたすら歩くなんとしても日暮前に龍良山へたどり着かなければならなない。後半かなりペースをあげて歩くがM田氏も着いてくる。普段何もスポーツをやっていないという事だが、かなり体力があるようだ。17時27分何とか明るいうちうちに龍良山へ到着。急いでダンロップの二人用のテントを張る。このテントは、大学2年の頃から使用しているので、18年目をむかえているがいまだに全く問題なく使用できる。山頂には、二人用のテントならばなんとか張れる平坦なスペースがあう。今日は、風もないので明るいうちに外で食事を済ませる事にして準備する。メニューは、ハムとソセージそれにスープスパゲティーだ。夕食後、ここでもCQを出すがバッテリーが消耗しているためか交信はできなかった。それにしても、無線のバッテリーは、消耗が早い。非常用としてもっているので普段は使わないようにしなけらば。

龍良山三角点からの萱場山(右)写真中央が内山峠

平成13年9月24日(月)

龍良山(6:20) ⇒ 浅藻神社前着 (9:00)

龍良山三角点からの朝日【平成13年9月24日】

   3日目は、龍良山で朝日を撮ってからから6時20分に出発。ここからは、かなりの急斜面を一気に下る。前回もここで大きくルートからそれてロスしたので慎重に歩く。

龍良山三角点からの神崎半島(右)

    前回は、大きく右にそれたのでその分を考慮して歩いたつもりがまたしても右にそれてしまった。結局これが原因でまたしても一気に神崎半島までは行く事ができなかった。前回は、時間をかけて修正したが今回はその気力がなかった。次回、龍良山から神崎半島を目指す山行を計画した。何としても迷わずいっぱつでたどり着きたいのだ。主稜線に上がればびっくりするような立派な道があるので主稜線に上がれば後は楽勝なのだが。それにしても悔しい。ところで、龍良山から神崎半島へ伸びる稜線は、地形図で見るかぎり顕著に伸びているが、実際に歩いてみると龍良山直下ははっきりとした尾根にはなんていない。前回も今回もコンパスで修正しながら歩く事を怠ったのが最も原因なのだが地形図も少しおかしいような気がしているのだが?

   龍良山周辺地形図