国土地理院の50Mメッシュ数値地図をもとにカシミール(フリーソフト)で作成しました。
目 的:後立山連峰
猿倉〜杓子岳双子尾根〜不帰キレット〜八方尾根〜八方縦走
期 間
H11.12.29〜H12.1.3
長崎から移動日
いつものとおり、夜行寝台特急「あかつき」・新幹線「のぞみ」・特急「しなの」を乗りつぎ30日昼まえに白馬駅着。毎年のことながら『遠〜い!』と感じる。
12.30
二股(832m)
〜 猿倉荘付近(1320m)
白馬駅より二股までタクシー(約20分)で行き、12:40二股から猿倉荘をめざし歩きだす。今年の積雪は
二股付近で膝ぐらいだが、トレースがばっちりつき歩きやすい。 猿倉荘までの予定であったが、もう少し足を伸ばし標高1320m地点に
テントを張る。この日は、12月の北アルプスにして は寒さもあまり感じなかった。
12.31
猿倉荘付近(1320m) 〜 天狗山荘(2730m)
6:20にテント場を立ち猿倉台地をめざす。昨日からのトレースが続いておりかなり時間を短縮できるようだ。リーダーとサブリーダーは平成10年の正月も双子尾根に入山しているがそのときより今年が積雪は多いらしいがトレースもあり雪も安定しているので今回の方が歩き安いということだ。
双子尾根からの鑓ヶ岳(左)杓子岳
今日のテントサイトは、奥双子岩付近予定していたが、天気も雪も安定しているし、数パティー程入山しておりトレースもついていがいと楽ができた。杓子岳直下もGWには岩も出て少し難しいということだが、今回は、ステップ状になっており何の問題もなくノーザイルで登りきる。杓子岳着13:47。ここから天狗山荘までは、着実に稜線をたどることとなるが、15:00をすぎてから次第に風がでてきて視界も悪くなった。
富山県側からの冷たい風を受
けひたすら受け天狗山荘へ足を運ぶ。鑓温泉分岐からはかなり疲れていたせいか非常に遠く感じられた。天狗山荘着16:00。強風の中、山荘横に風をよけテントを設営。テントの中で、暖かいコヒーを飲む頃はすでに日が暮れていた。
1.1
停滞
天狗山荘にて
1.2 天狗山荘(2730m) 〜 八方池山荘(1830m)
昨日からの天気図作成により、午前中は天気がもつという判断をして 6:30テントを撤収して出発。途中、天狗ノ頭付近ですばらしい朝日を見る。長野県側には、雪洞を掘ってビバークしている登山者がいた。『寒かったろうなー』。いよいよ標高差300mの「天狗の下り」だ。ここで、F上・K山、T・末永がそれぞれアンザイレンしてTパティーが先行する。「天狗の下り」をすぎるといよいよ今回の最難関の「不帰の嶮」。 T峰は問題なく通過。U峰は、北峰と南峰に分かれており、北峰の通過にかなりの時間を要した。リーダーがトップで行くが、ザイルがなかなか伸びない。信州側にはりついた雪壁を登るルートだが、リーダーは、夏道の上部をトラバースするルートをとったようだ。声も届かず確認ができない。サブリーダーが、続いてリードすることとなった。しばらくして、トップの二人から声がかかりK山、末永の二人がそれぞれセカンドから登る。リーダーのザイルは、雪壁をトラバースするように伸びサブリーダーのザイルは、雪壁を垂直に伸びている。一瞬『ここを登るのか』と思うが、とにかく登り出す。とにかく垂直の雪壁なので、手で足場を掘りだし一歩一歩進むが、どうも登った形跡がない。ふと左を見るとステップの跡があり、左へ1mほどトラバースする。後は確実にステップを頼って登りきる。セカンドだから登れたようなもののとてもトップでは登れなかった気がする。というよりも登らなかっただろう。このような垂直の雪壁が登れるものとは思いもしなかった。技術ももちろんだが冬山登山には積み重ねる経験が大切だと痛感した。雪壁を登り終わった後、サブリーダーに『よくこんな壁リードしたね』と聞くと『もう二度としたくない』という返事だった。U峰の南峰は、北峰よりは楽に登ることができた。V峰を通過し唐松岳をめざすが、私がバテしまい3人に迷惑をかてしまった。当初の予定は、唐松泊だったが明日の天気が心配なので下れるところまでということで、この日は八方池山荘に泊まった。夜半からかなり吹雪いた。
唐松岳にて(左から F上・K山・T)
1.3
八方池山荘(1830m) 〜 八方(770m)
やはり昨日からの吹雪で、積雪もあり視界もほとんどきかない。ゴンドラとリフトを乗り継ぎ八方まで下る。タクシーで白馬駅まで行きその日の内に新幹線で帰宅した。