期 間:平成12年12月17日(日)
メンバー
松崎 亘良 /高木 一 /末永 直樹 以上4名
今回初めてのガイド山行で冬壁入門ルートとして人気の高い小同心クラックを登
った。ガイドは、黒部の遡行で有名な志水哲也さんにお願いした。集まったメンバーは、3名で私を除く二人は、何度か志水さんのガイドの経験があるという事だ。前日に、宿泊先となった赤岳鉱泉で打ち合わせを行い、登攀にそなえ早めに床についた。
赤岳鉱泉発(6:30)⇒取付(8:30)⇒横岳(11:30)⇒硫黄岳経由⇒
赤岳鉱泉着(13:30)
鉱泉で朝食をとって6時30分に出発。取付きまでは、赤岳鉱泉から硫黄岳の登山道を5分ほど歩き、大同心の道標に沿って右折してそのまま大同心稜を登る。取付までの標高差は、約450m。大同心には、すでに取付いているパティーもいる。小同心クラックの取付までは、大同心基部の岩のバンドをトラバースして、ルンゼ上部を右上する。
ガイドの志水哲也氏 (大同心基部にて)
取付で登攀の準備をする高木氏と松崎氏(後)
1ピッチ目
チムニー目指して左上する。
リードは、全て志水氏が行う。ピッケルは、ザックにしまい、登攀中は手袋のみで確保中はオーバー手袋も装着した。特に1ピッチ目の下部は、傾斜もゆるく簡単みえたが、初めての冬壁ということで、アイゼンと手袋装着での登攀は、思った以上に困難で慣れがいると感じた。特に1ピッチ目の上部と2ピッチ目のチムニーの登攀では、あまり体を奥まで入れてしまうとザックがひっかかってしまい登りずらかった。ホールドは、さすがに豊富で大きいが、浮石も多い。支点は、ほとんど岩を利用していたが、見落としやすいが、ハーケンもある。1ピッチ目のビレーポイントの支点は、ハーケン1本と比較的新しいリングボルト2本。2ピッチ目のビレーポイントは、右肩にでたところでテラスになっている。分かりにくいが、壁側の下部にハーケンが1本ある。3ピッチ目は、大同心側のバンドをまいて小同心の頭に出た。
小同心の頭
横岳直下
ガイドブックには、「小同心の頭からは、やさしい岩稜伝いにわずかで横岳頂上に出る」とあるが、最後の横岳直下も難しく感じた。確実に3ピッチより困難である。
横岳頂上からの小同心の頭
横岳頂上(左から 志水氏、松崎氏、末永)
登攀終了点(横岳)から望む富士山と赤岳(右)
今回の山行でガイド の志水 哲也さんのアドバイス
・冬山は、スピードが重要。もたもたしていると悪天につかまってしまう。
・ワンタッチ式アイゼンは、1分以内。バンド式は、3分以内で装着できるようになる事。
・冬壁を登る時の手袋は、サイズをかなり小さなものにする。
・冬壁を登る時の服装は、歩く時より1枚多めに着る。
・冬山では、物をむやみに置かない。特に手袋には気をつける。
・テルモスにガムテープをはると素手で持つ事ができる。
・冬山では、カラビナを口にくわえない。